理想のマイホームを手に入れたい。自分たちだけのこだわりの家をつくりたい。そんな夢を抱く一方で、多くの方が最初に直面する現実的な壁が「お金」、特に「頭金(自己資金)」の問題ではないでしょうか。
「やっぱり物件価格の2割は貯めないとダメ?」「貯金を使い果たすのは怖いけれど、いくら残せばいいの?」インターネット上には様々な情報が溢れており、何を信じればいいのか迷ってしまう方も多いはずです。特に注文住宅の場合、土地と建物の支払いが別々になることもあり、建売住宅以上に資金計画が複雑になりがちです。
この記事では、注文住宅の頭金に関する基本的な知識から、年収別の目安、支払うメリット・デメリット、そして低金利時代の今だからこそ知っておきたい「手元資金の賢い守り方」まで幅広く解説します。後悔のない資金計画を立てるための判断材料として、ぜひお役立てください。
▶ 関連記事:【完全ガイド】注文住宅の流れを初心者にも分かりやすく解説!
(※家づくり全体のお金の流れを知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください)
そもそも注文住宅の「頭金」とは?役割と基礎知識
よく耳にする「頭金」ですが、正確にはどのようなお金を指すのでしょうか。頭金とは、住宅購入費用のうち「住宅ローンを借りずに、手元の現金(自己資金)で支払う分」のことです。例えば、4,000万円の土地付き注文住宅を購入する際、手元の貯金から500万円を支払えば、残りの3,500万円が住宅ローンの借入額になります。
この頭金には、単なる支払いの一部という以上に、家計の安全性を高める重要な役割があります。まずはその基本的な仕組みと、混同しやすい「手付金」との違いについて整理しましょう。
頭金の役割|なぜ必要なの?
頭金を入れる主な目的は、将来の返済負担を軽くし、信用を得ることです。具体的には以下の3つの効果が期待できます。
借入額を減らして返済負担を軽くする:
借金(ローン)の元金が減るため、毎月の返済額を軽くしたり、返済期間を短くしたりすることができます。
総支払利息を抑える:
借入額が減れば、その分支払う利息も少なくなります。35年という長期ローンであればあるほど、数十万円〜百万円単位の節約効果が出ることもあります。
審査や金利の優遇:
ある程度の頭金を用意できるということは、金融機関に対して「計画的に貯蓄ができる堅実な家計管理能力がある」という証明になります。そのため、審査に通りやすくなったり、銀行によっては金利の引き下げ優遇を受けられたりするケースがあります。
「手付金」との違いは?
よく混同されるのが「手付金」です。手付金は、土地や建物の売買契約を結ぶ際に、売主に対して支払うお金のことです(万が一契約を解除する際の違約金の基準になります)。
手付金は、最終的には購入代金の一部に充当されるため、実質的には「頭金の一部」として扱われますが、重要なのは「支払うタイミング」です。住宅ローンが実行される(お金が振り込まれる)よりも前に、契約の段階で現金で支払う必要があるため、必ず手元にまとまった現金を用意しておく必要があります。
注文住宅の頭金の相場はいくら?平均額と目安

「みんなはどれくらい払っているの?」というのは、やはり気になりますよね。一般的な相場を知ることは大切ですが、平均額にとらわれすぎて無理をする必要はありません。ここでは客観的なデータと、近年の傾向について解説します。
【データで見る】注文住宅の頭金の平均額
住宅金融支援機構の調査によると、注文住宅購入者の自己資金(頭金)の平均額は以下の通りです。
- 土地付き注文住宅:約461万円
- 注文住宅(建物のみ):約729万円
これらはあくまで平均値であり、調査年度によって変動します。また、多くの人が数百万円単位の頭金を用意している傾向が読み取れます。割合で見ると、購入総額の10%〜20%程度がひとつのボリュームゾーンとなっています。
▶ 出典:住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査」
頭金の目安は住宅購入価格の1〜2割
一般的には「購入価格の1〜2割」が頭金の目安と言われています。たとえば、3,000万円の家なら300万〜600万円、4,000万円なら400万〜800万円です。この「1〜2割」という数字が目安とされる理由は、多くの金融機関で、融資率(物件価格に対する借入額の割合)が9割以下になると、金利優遇の条件が良くなる傾向があるためです。
しかし、近年では歴史的な低金利を背景に、「頭金なし(フルローン)」や「諸費用(手数料や登記費用など)のみ現金払い」という選択をする若い世代も増えています。「平均額まで貯めないと家は買えない」と焦る必要はありません。大切なのは、ご自身の現在の貯蓄額と、今後のライフプランとのバランスです。
【年収別】頭金の目安と住宅ローン借入額シミュレーション
無理のない返済計画を立てるためには、「いくら借りられるか(借入可能額)」ではなく「いくらなら無理なく返せるか(返済可能額)」を知ることが重要です。一般的に、安心して返済できる借入額の目安は「年収の6〜7倍」程度、あるいは年間返済額が「年収の20〜25%以内(返済負担率)」に収まる範囲と言われています。
ここでは、物件価格4,000万円の注文住宅を検討する場合を例に、年収別の頭金の目安をシミュレーションしてみましょう。
※金利0.6%(変動)、35年返済、ボーナス払いなしと仮定。金利は変動する可能性があるため、実際には余裕をもった試算が必要です。
年収400万円の場合
- 無理のない借入目安: 約2,400万円 〜 2,800万円
- 必要な頭金の目安: 約1,200万円 〜 1,600万円
※ここでは「年収の6〜7倍」に借入額を抑える前提で逆算しています。金融機関の審査で借りられる上限額とは異なります。
年収400万円で4,000万円の物件を購入する場合、フルローンでは返済負担率が高くなりすぎ、生活が圧迫されるリスクがあります。親御様からの援助(贈与)を検討するか、あるいは頭金をしっかり貯める、もしくは物件の予算(土地のエリアや建物の規模)を見直すといった調整が必要になるでしょう。
年収600万円の場合
- 無理のない借入目安: 約3,600万円 〜 4,200万円
- 必要な頭金の目安: 0円 〜 400万円
この年収帯であれば、4,000万円の物件は射程圏内に入ってきます。頭金なし(フルローン)でも、一般的に返済比率の目安上は安全圏内と考えられますが、月々の返済額を抑えたい場合は、諸費用分+α(200〜400万円程度)を入れるとより安心です。
年収800万円の場合
- 無理のない借入目安: 約4,800万円 〜
- 必要な頭金の目安: 0円(フルローン可能)
年収800万円であれば、4,000万円の借入は十分に余裕があります。
あえて頭金を入れず、手元資金を投資や教育費、あるいは住宅のグレードアップ(性能やデザインへの投資)に回すという選択肢も現実的になります。
▶ 関連記事:注文住宅で家を建てるには?費用や流れなど(地域別の相場も解説)
注文住宅で頭金を支払う3つのメリット

無理をしてでも頭金を入れるべきなのでしょうか?ここでは頭金を支払うことで得られる具体的なメリットを3つ解説します。
メリット1:月々の返済額や総返済額が減る
最もわかりやすいメリットです。借入額が減れば、当然ながら毎月の支払いが楽になり、日々の家計にゆとりが生まれます。また、35年間で支払う「利息」の総額も大きく削減できます。
「毎月の固定費を少しでも下げておきたい」という堅実派の方にとっては、大きな安心材料になります。
メリット2:住宅ローン審査に通りやすくなる
頭金があることは、銀行に対して「返済能力の証明」になります。特に、自営業の方や勤続年数が短い方など、審査に不安要素がある場合は、頭金を多めに用意することで信用を補完し、承認されやすくなるケースがあります。
メリット3:金利の優遇を受けられる場合がある
「フラット35」などの固定金利商品では、融資率(借入割合)が9割以下になると、適用される金利そのものが低くなるプランがあります。
頭金を1割以上入れることで、借入額が減るだけでなく金利も下がるため、ダブルの効果で返済負担が軽くなります。
注文住宅で頭金を支払うデメリット・注意点
「頭金は多ければ多いほど良い」と思われがちですが、実はデメリットやリスクも存在します。ここが現代の資金計画において非常に重要なポイントです。
デメリット1:手元の「現金」が減る(流動性リスク)
これが最大のリスクです。住宅ローンの一部を解約して現金に戻すことはできません。人生には、病気やケガによる休職、教育資金のピーク、車の買い替え、あるいは不況による収入減など、「現金」が必要な場面が突然訪れます。
頭金を入れすぎて手元の貯金がスッカラカンになってしまうと、こうした不測の事態に対応できず、かえって家計が破綻するリスクが高まります。低金利の現在は、「あえて借りて、手元に現金を残す」ことがリスクヘッジになるのです。
デメリット2:住宅ローン減税の恩恵が減る
「住宅ローン減税」は、年末時点のローン残高の0.7%が所得税等から還付される制度です。
※上限あり。省エネ性能や床面積等の条件により控除対象限度額は異なります。
頭金を入れすぎて借入額が減ると、本来受け取れたはずの還付金が少なくなってしまうケースがあります。13年間という長期間の減税メリットを最大限活かすために、あえて頭金を抑えるという戦略も有効です。
頭金なし(ゼロ)でも注文住宅は建てられる?フルローンの注意点
最近は「頭金なし(フルローン)」で家を建てる方も増えています。低金利時代においては、手元資金を残す賢い選択とも言えますが、リスクも伴います。
頭金ゼロでも家が買える「フルローン」とは?
物件価格の100%をローンで借りる方法です。さらに諸費用まで含めて借りる「オーバーローン」という方法もあります。「今は貯金が少ないけれど、家賃を払うのがもったいないから早く建てたい」という方にとって、家づくりをすぐにスタートできるのが最大の魅力です。
フルローンの最大のリスク「担保割れ」
フルローンを選ぶ場合に最も警戒すべきなのが「担保割れ」です。これは、将来転勤などで家を売らなければならなくなった際、「家の売却価格」よりも「ローンの残り」の方が多くなってしまい、差額の現金を足さないと売るに売れない状態のことです。
【栃木ハウスからのアドバイス】
このリスクを回避するために重要なのは、頭金の額以上に「資産価値の落ちにくい家」を建てることです。
- 普遍的なデザイン: 流行に左右されず、経年変化を楽しめる意匠
- 可変性のある間取り: ライフスタイルの変化に対応できる構造
- 高い住宅性能: 断熱・耐震等級など、中古市場でも評価されるスペック
栃木ハウスが目指す「bespoke(対話型オーダーメイド)」な家づくりは、単に住む人の好みを叶えるだけでなく、こうした将来の資産価値までを見据えた設計を行っています。価値が長く続く家であれば、フルローンであっても担保割れのリスクを低減させることができるのです。
▶ 関連ページ:栃木ハウスのコンセプト
後悔しないための資金計画!頭金を決めるときのポイント

では、結局いくら用意すれば正解なのでしょうか。大切なのは「生活を守るお金」まで使い込まないことです。具体的な計算ステップをご紹介します。
1. 頭金以外に現金で必要な「諸費用」を把握する
家づくりには、物件価格以外にも現金が必要な場面があります。登記費用、ローン手数料、火災保険料、引越し代、家具家電の購入費などです。これらは物件価格の5〜10%程度が目安です。まずこの分を確保しましょう。
2. 手元には生活費の半年〜1年分を残しておく
これが鉄則です。病気やケガ、急な出費に備える「生活防衛資金」として、生活費の半年〜1年分は必ず手元に残してください。
例えば、月の生活費が30万円なら、180万〜360万円は「絶対に使わないお金」としてキープします。頭金に回してよいのは、それ以上の「余剰資金」だけです。
3. 親からの援助も選択肢に|住宅取得等資金贈与の非課税制度
ご両親や祖父母から資金援助を受けられる場合は、「住宅取得等資金贈与の非課税特例」を積極的に活用しましょう。
一定の条件(省エネ性能など)を満たす住宅であれば、最大1,000万円まで贈与税がかからずに資金を受け取れます。栃木ハウスの高性能住宅なら、この非課税枠を最大限活用できるケースが多いです。
「頭金なしで今すぐ購入」vs「頭金を貯めてから購入」どっちがお得?
永遠のテーマですが、状況によって正解は異なります。「金利」と「時間」の2つの軸で判断しましょう。
「今すぐ購入」が向いているケース
現在の家賃が高い人:
>貯金をしている間も家賃は消えていきます。月10万円の家賃なら年間120万円は住居費として必要ですが、購入時のように資産として残りにくい性質の支出となります。早く建てて資産に変える方が合理的です。
完済年齢を気にする人:
35年ローンを組むなら、開始年齢が早いほど定年前に完済できる可能性が高まります。
お子様の入学などタイミングが決まっている人:
ライフイベントに合わせて環境を整えることは、お金には代えられない価値があります。
「貯めてから購入」が向いているケース
現在の収入が不安定な人:
まずは経済基盤を固めることが先決です。
生活防衛資金や諸費用すら貯まっていない人:
フルローンだとしても、ある程度の現金がないと契約後の急な出費に対応できません。
数年後に収入が大幅に上がる見込みがある人:
より良い条件でローンが組める可能性があります。
まとめ:自分に合った頭金額で無理のない資金計画を立てよう

頭金の額に「絶対の正解」はありません。「たくさん入れて月々の負担を極限まで減らしたい」という堅実な考え方も、「手元に現金を残して、教育や趣味、投資に回したい」という柔軟な考え方も、どちらも正しい選択です。
大切なのは、世間の平均額や「2割入れるべき」という一般論に流されるのではなく、ご自身のライフプランや価値観に合わせて、最適なバランス(キャッシュフロー)を見つけることです。そして、フルローンを選ぶのであれば、「資産価値の落ちない家」を選ぶことが最大のリスクヘッジになります。
栃木ハウスでは、建物のデザインや間取りのご提案と同じくらい、この「資金計画」を大切にしています。専属スタッフが、お客様の年収や家族構成、将来の夢をお伺いし、「頭金はいくら入れるべきか」「ローンはどう組むのが一番お得か」を具体的にシミュレーションいたします。
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