別荘の住民税はどこに払う?住民票を移さない場合の注意点と手続き

別荘を所有すると、住民票を今の住所に置いたままでも、別荘のある自治体から住民税の納付を求められることがあります。突然通知が届くと、「なぜ二つの自治体から税金を払うのか」「住民票を移した方が良いのか」など、疑問を抱く方も少なくありません。

この記事では、別荘にかかる住民税の仕組み、とくに「家屋敷課税」と呼ばれる制度を中心に整理します。あわせて、住民票を移す・移さない場合の考え方、別荘の取得・保有・売却で関係する主な税金、税負担を軽減できる可能性がある「セカンドハウス認定」のポイントまでを、一連の流れで解説します。

栃木ハウスは、栃木県内での注文住宅にくわえ、那須エリアなどで別荘・セカンドハウスのご相談を受けてきました。この記事は、そうしたご相談経験をふまえて「まず押さえておきたい一般的な考え方」を整理したものです。実際の税額や最新の軽減制度は自治体や時期によって変わるため、最終的には市区町村や税理士への確認を前提としてご覧ください。

【結論】別荘の住民税は二重課税?住民票がない自治体にも納税が必要な理由

別荘を所有していると、住民票のある自治体とは別に、別荘の所在地から住民税の納付を求められることがあります。見た目には「二重で払うのか」と疑問を持ちやすい部分ですが、これは地方税法で定められた「家屋敷課税」という仕組みに基づいた正当な課税です。

この制度は、別荘の所有者も、その地域の行政サービスを間接的に利用しているという考え方に立っています。消防や警察、道路の維持、ごみ収集といった日常の基盤となるサービスは、住民だけでなく別荘の利用者にも影響があります。これらの公共サービスを支えるための費用の一部を負担してもらう、いわば応益負担の考え方が家屋敷課税の背景にあります。

つまり、別荘がある地域で提供される公共サービスに対して、所有者も一定の責任を分担するという位置づけです。不当な二重課税ではなく、地域と良好な関係を保ちつつ別荘を活用していくための制度と理解すると、納得しやすいはずです。

別荘の住民税は「家屋敷課税」!その仕組みをわかりやすく解説

別荘を所有すると、「住民票を置いていない自治体から住民税の通知が届くのはなぜか」という点が気になる方も多いはずです。実際、住民票を移していなくても、別荘のある自治体から住民税の均等割が課される場合があり、初めて経験すると戸惑いが生じやすい場面です。ただ、これらはいずれも地方税法に定められた「家屋敷課税」という制度に基づき行われており、仕組みを理解すれば不自然なものではありません。

ここでは、別荘と住民税の関係を整理しながら、この家屋敷課税が「どのような仕組みで」「どの人が対象となり」「どの程度の金額が課税されるのか」、さらに「課税されないケースにはどんなものがあるのか」まで順を追って説明していきます。制度の全体像を把握することで、不安なく別荘を維持するための判断材料が得られるはずです。

家屋敷課税とは?生活拠点とは別に課税される住民税

家屋敷課税は、個人住民税のうち「均等割」だけが対象となる仕組みで、地方税法第24条第1項第2号に基づいています。住民票が置かれていない市町村であっても、その地域に家屋敷や事業所を所有している人に対して課税される点が特徴です。

なぜこの制度があるのかと言えば、別荘の所有者も、地域の行政サービスから一定の恩恵を受けていると考えられているためです。道路の維持管理やごみ処理、消防・救急といったインフラは、日常的に使っていなくても、緊急時や滞在中には当然利用できる状態に保たれています。こうした費用の一部を、受益者全体で支えるという「応益負担」の考え方が、家屋敷課税の根拠です。

そのため、住民票が別の自治体にある場合でも、別荘を所有している限り、住民税の均等割が課税されます。制度の位置づけとしては、不当な二重課税ではなく、地域の公共サービスを維持するための財源として重要な役割を担うものと理解しておくとよいでしょう。

家屋敷課税の対象となる条件

家屋敷課税が適用されるには、いくつかの条件を同時に満たしている必要があります。まず、別荘の所在する市町村に住民票が置かれていないことが前提となります。住民票はあくまで生活の拠点に置くものですが、別荘を持つ場合には、普段暮らしている自治体と別荘のある自治体が異なるケースが一般的です。

次に、その市町村内に所有建物としての別荘が存在していることが条件となります。ただ建物があるだけではなく、「いつでも居住できる状態」であるかどうかが重要な判断基準になります。例えば、生活に必要な電気・ガス・水道が確保されており、独立した住空間として機能しているかが確認されます。物置として利用しているだけの建物や、老朽化が進んで居住が難しいものは対象外です。また、建物を他人に貸し出している場合も、課税対象から外れるのが一般的です。

こうした条件を踏まえ、その別荘が「必要に応じて生活ができる住まいとして成立している」と判断されたとき、家屋敷課税の対象になります。制度の背景を押さえておくと、どのような状況で課税されるのかが理解しやすくなるはずです。

家屋敷課税の金額はいくら?税額の計算方法

家屋敷課税で対象となるのは、住民税のうち「均等割」に限られます。所得に応じて額が変わる「所得割」は課税されないため、所得が二重に課される心配はありません。所得割については、あくまで住民票のある自治体のみで計算されます。

均等割の金額は法律で「標準額」が定められており、令和6年度以降は、市町村民税3,000円、道府県民税1,000円にくわえ、国税として森林環境税1,000円が加わるのが一般的です(合計5,000円)。

ただし、自治体独自の上乗せ(超過課税)が行われている場合もあるため、実際の金額は別荘所在地の自治体で確認する必要があります。具体的な金額は自治体ごとに異なるため、最新の情報を確認するには、別荘所在地の自治体ホームページを確認するか、税務課に問い合わせるのが最も確実です。

家屋敷課税が非課税になるケースとは?

別荘を所有していても、状況によっては家屋敷課税がかからない、または免除される場合があります。どのようなケースが該当するのかを把握しておくと、税負担の見通しが立てやすくなります。

まず、別荘を他人に貸し出している場合です。賃貸として運用している建物は、居住を前提とした家屋敷とは扱われず、事業用資産として判断されるため、家屋敷課税の対象外となるのが一般的です。

次に、建物自体が居住に適さない状態にあるケースです。電気・ガス・水道が機能しておらず、生活が成り立たない建物や、物置としてしか使えない状態の建物は、居住可能な家屋敷とはみなされず課税対象から外れます。

単身者の例では、多くの自治体で「前年の合計所得金額が45万円以下」であれば均等割も含めて住民税がかからないという基準が採用されています。ただし、家族構成などによって基準額は変わり、自治体ごとに細かな違いもあるため、実際の適用条件は居住地の案内で確認が必要です。

別荘を持ったら住民票は移すべき?移さない場合のメリット・デメリット

別荘を手に入れたとき、多くの方が気になるのが「住民票は今のままで良いのか、それとも別荘のある自治体へ移した方がよいのか」という点です。住民票の置き場所は、税金だけに関わる問題ではなく、利用できる行政サービスや日常生活の利便性にも影響するため、判断に迷う場面が生まれやすいテーマといえます。

一般的には、別荘を所有しても住民票を移す必要はありません。ただし、現在の住所に住民票を置き続けることで得られるメリットと、反対に不便が生じる可能性の双方を理解しておくことは大切です。また、暮らし方が変わり、別荘で過ごす時間が大幅に増えるようなケースでは、住民票の移転が適切となる場合もあります。

ここでは、それぞれの選択肢がどのような影響を持つのかを整理しながら、ご自身の生活スタイルに合った判断がしやすくなるよう、ポイントを順に説明していきます。

原則、住民票を移す必要はない

住民票は「生活の本拠」に置くことが原則とされています。これは住民基本台帳法に基づく考え方で、日々の生活を送る中心となる場所、つまり仕事や家事、子育てなど、生活の基盤がある住所を指します。

別荘の場合、週末や長期休暇といった限られた期間に利用されることが多く、普段の生活を営む場とは位置づけが異なります。そのため、別荘を所有していても、住民票をその所在地へ移す義務はありません。現在の住まいが自身の生活の中心である限り、住民票はそのままにしておくのが適切です。

また、この「生活の本拠」は滞在日数だけで判断されるものではなく、暮らし方全体を踏まえて総合的に判断されます。別荘が主な生活拠点ではないのであれば、住民票の移動を検討する必要はないと考えてよいでしょう。

住民票を移さないメリット・デメリット

住民票を現在の住所に置いたまま別荘を所有する場合には、良い面と不便な面の両方があります。どちらが自分の暮らしに合うかを整理しておくと、判断がしやすくなります。

まず、住民票を移さないことのメリットとして、今利用している行政サービスをそのまま継続できる点があります。選挙権がこれまでどおり行使できることや、お子さんがいる場合は学区や各種支援制度を引き続き利用できることが挙げられます。また、住所変更の手続きが不要なため、運転免許証・銀行口座・クレジットカードなどの更新時の手間がかからない点も日常的な利便性につながります。

一方で、別荘のある自治体で受けられるサービスには制約が生じる場合があります。たとえば、公営施設の住民料金の適用が受けられなかったり、図書館カードの発行が制限されたりするなど、地域住民向けサービスの一部が利用しづらくなるケースがあります。また、別荘を所有していることで家屋敷課税の対象となり、均等割の支払いが必要になる点も考慮すべきポイントです。

これらの利点と不便さを踏まえ、ご自身の生活スタイルや別荘の利用頻度に照らして判断するのが現実的な方法といえます。

例外的に住民票を移した方が良いケース

多くの別荘所有者にとって、住民票を移す必要はありません。ただし、暮らし方が変わり、別荘が実質的に「生活の本拠」と言える状態になる場合は、住民票を移した方が適切となるケースもあります。生活の重心がどこにあるかによって判断が変わるため、状況に応じた検討が欠かせません。

例えば、定年後の暮らし方の変化やリモートワークの普及により、滞在期間のほとんどを別荘で過ごすようになった場合です。このような場合は、日常生活の中心が自然と別荘側に移るため、住民票もそこに置く方が実態に沿った形になります。また、別荘のある地域で子育てをしたいと考え、その地域が提供する支援制度を積極的に利用したい場合や、地域活動に深く関わりたいといった意向がある場合も同様です。自治会への参加や地域行事への関与など、生活の基盤をどこに置くかが判断の材料になります。

このように、住民票を移すべきかどうかは、生活の中心となる場所がどこなのかによって変わります。将来の暮らし方や利用の仕方を踏まえ、ご自身の状況に合った判断を検討するとよいでしょう。

別荘の住民税(家屋敷課税)の手続きと支払い方法

別荘を所有すると、住民税(家屋敷課税)の手続きや支払いの流れが気になる方も多いと思います。ただ、基本的な仕組みはそれほど複雑ではありません。多くの場合、別荘がある自治体から毎年納税通知書が送られてくるため、所有者側で特別な手続きを行う必要はありません。

ここでは、通知書が届くタイミングや送付先、選べる支払い方法、さらに事前の申告が必要かどうかといった点を順に整理し、無理なく把握できるよう解説していきます。

納税通知書はいつ・どこに届く?

家屋敷課税の納税通知書は、例年6月頃に発送されます。勘違いしやすい点ですが、何もしなければ通知書が届くのは別荘の住所ではなく、所有者の住民票が置かれている自宅です。

なお、自治体によっては「送付先変更届」などを提出することで、別荘の住所や指定した宛先に納税通知書を送ってもらえる場合もあります。こうした手続きの有無や方法は市区町村ごとに異なるため、必要に応じて別荘所在地の税務課に確認しておくと安心です。

別荘のポストに届くものと思い込んでいると、通知書を見落とすおそれがありますので、毎年6月前後は、登録している送付先に届く郵便物を意識的に確認しておくとよいでしょう。

主な支払い方法一覧

納税通知書には納付書が同封されており、それを利用して支払いができます。支払い方法は複数あり、コンビニのレジでの支払い、金融機関の窓口での手続き、自治体が対応していればクレジットカード決済や、PayPay・LINE Payといったスマートフォン決済、eL-QR(地方税統一QRコード)を利用することも可能です。

どの方法が利用できるかは自治体によって異なります。通知書の記載内容と、別荘がある自治体の公式サイトをあわせて確認しておくと、スムーズに手続きを進められます。

家屋敷課税に関する申告は必要?

家屋敷課税については、原則として所有者が自主的に申告する必要はありません。多くの自治体では、固定資産税の情報や登記内容をもとに所有者を把握し、そのまま家屋敷課税を適用しています。こうした仕組みがあるため、特別な手続きをしなくても課税が行われるのが一般的です。

一方で、ごく一部の自治体では「家屋敷等(事業所)申告書」の提出を求める場合があります。確実を期すためには、別荘を取得したタイミングで一度、市区町村の税務課へ問い合わせておくと安心です。必要な手続きが明確になり、余計な負担を避けながら別荘の管理を進められます。

住民税だけじゃない!別荘の所有でかかる税金の種類と一覧

別荘を所有すると、家屋敷課税だけでなく、購入時と保有期間中の双方でいくつかの税金が関わってきます。大きく分けると、取得したときに一度だけ発生する税金と、所有している限り毎年支払いが続く税金の二つがあります。それぞれの仕組みや負担の目安を把握しておくことで、将来的な支出を見誤るリスクを抑えられます。

別荘の計画では、建築費や維持費だけに目が向きがちですが、税金の構造も資金計画の重要な要素です。市町村によって税率や運用がわずかに異なることもあるため、検討する際はできるだけ早い段階で税負担の全体像を整理しておくと安心です。

【毎年かかる】保有時にかかる税金

別荘を所有しているあいだは、毎年支払いが続く税金がいくつかあります。その代表が固定資産税と都市計画税で、いずれも別荘が建つ市町村へ納める地方税です。これらは道路や下水道、公園整備といった地域インフラを維持するための財源として使われており、別荘を持つ以上避けて通れない費用といえます。

年間の維持費を考えるうえでも欠かせない項目のため、最初に負担の仕組みを理解しておくと資金計画が立てやすくなります。ここでは、それぞれの税金がどのように計算されるのか、その基本的な考え方を整理していきます。


固定資産税

固定資産税は、毎年1月1日時点で土地や建物を所有している人に課される地方税で、別荘も例外ではありません。税額は「課税標準額に標準税率1.4%を掛ける」という基本的な仕組みで計算されます。課税標準額は固定資産税評価額をもとに算定されますが、評価額そのものより低く設定されることが一般的です。

ただし、この1.4%という税率は全国共通ではなく、自治体の判断で異なる場合があります。同じ栃木県内でも市町村によって細かな運用が異なることがあり、検討している別荘の所在地で事前に税率を確認しておくと、年間維持費の見通しを立てやすくなります。

都市計画税

都市計画税は、市街化区域にある土地や建物を対象に課される地方税で、固定資産税とあわせて納める仕組みになっています。道路や公園、下水道といった都市計画事業の財源として活用されるため、市街地に別荘を所有する場合は、維持費の一部として必ず意識しておきたい税金です。

税額は「課税標準額に0.3%を上限とする税率を掛けて算出する」という方式が採用されています。そのため、市街化区域外にある別荘であれば課税されないケースもあります。検討中の別荘がどの区域に該当するかは、自治体のウェブサイトや納税通知書で確認できるため、事前に把握しておくと年間の支出計画が立てやすくなります。

【購入時にかかる】取得時にかかる税金

別荘を取得するときには、購入時に一度だけ発生する税金があります。いずれも「不動産を取得した」という事実に対して課されるもので、代表的なものに不動産取得税、登録免許税、そして建物の取引に関わる消費税や契約書に貼付する印紙税があります。これらの税金は購入直後の支出に影響するため、事前に内容を把握しておくと資金計画を立てやすくなります。

このあと、それぞれの税金がどのような仕組みになっているのか、順番に整理していきます。

不動産取得税

不動産取得税は、土地や建物を購入した際、もしくは贈与などで取得した際に一度だけ課税される都道府県税です。現在は、土地と住宅用家屋については時限的な軽減措置により3%、非住宅用家屋は4%という税率が適用されているケースが多く、本則や適用期限は法改正で変わる可能性があります。

後ほど触れるセカンドハウス認定の条件を満たすと、この不動産取得税が大きく軽減される可能性があります。購入直後の負担に影響する項目のため、どの税率が適用されるのか、そして軽減の対象になり得るのかを事前に確認しておくことが大切です。

登録免許税

登録免許税は、不動産の所有権を法的に確定させるために行う登記手続きの際、法務局へ納める国税です。別荘を購入すると、所有権移転登記を行うことになり、その手続きに応じて税金が発生します。税額は、所有権移転や抵当権設定といった登記の種類と、不動産の固定資産税評価額をもとに算出されます。

実際の手続きは司法書士に依頼することが一般的で、登録免許税は司法書士への報酬と合わせて支払う流れになります。どの登記が必要になるかは物件によって異なるため、購入前に登記内容を確認しておくと、初期費用の見通しを立てやすくなります。

消費税・印紙税

消費税は、不動産の購入時に土地には課税されず、建物部分の価格に対してのみ発生します。また、個人同士の売買は非課税の扱いとなるため、実際に消費税がかかるのは不動産会社などの事業者から別荘を購入する場合です。現在の税率は10%で、建物価格が高いほど消費税額も大きくなる点は、初期費用を考えるうえで押さえておきたいところです。

印紙税は、不動産売買契約書などの課税文書を作成する際に必要となる税金で、契約金額に応じた額の印紙を契約書に貼付することで納税します。契約金額に応じて数千円〜数万円程度の印紙税が必要になります(具体額は国税庁の最新の一覧を要確認)。どの区分に該当するかを契約前に確認しておくと、購入時の支出をより正確に把握できます。

【注意】自治体独自の「別荘等所有税」がかかる場合も

ここまで取り上げてきた税金は全国で共通して適用されるものですが、自治体によってはこれらとは別に独自の税を課している場合があります。とくに熱海市や軽井沢町といったリゾート地では、法定外普通税として「別荘等所有税」などの独自制度を設け、地域の行政サービスや環境保全に必要な財源を確保しています。

こうした独自税は自治体ごとに内容が異なるため、別荘の購入を検討する際には、その地域に特有の税制度がないかを事前に必ず確認しておくことが重要です。自治体のウェブサイトで最新情報を調べたり、税務課に問い合わせて詳細を確認したりすることで、思わぬ負担を避け、より正確な資金計画を立てやすくなります。

税金の負担を軽減!「セカンドハウス認定」で受けられる優遇措置

別荘を所有すると、維持にかかる税金は避けて通れない負担になります。ただ、その負担を正当に軽減できる制度が用意されていることは、あまり知られていません。その一つが「セカンドハウス認定」です。保養目的の別荘ではなく、生活の拠点の一つとして利用される住まいと認められることで、税制上の優遇措置を受けられる可能性があります。

この章では、まず「別荘」と「セカンドハウス」の税制上の違いを整理し、さらに認定を受けるために必要な条件をわかりやすく説明します。続いて、固定資産税や不動産取得税など、所有者にとって負担の大きい税金がどのように軽減されるのか、具体的な内容を順に解説していきます。制度を理解して活用することで、別荘ライフをより安心して続けられるようになります。

「別荘」と「セカンドハウス」の定義の違い

税制上、「別荘」と「セカンドハウス」は明確に区分されています。この違いを理解しておくことが、優遇措置を受けられるかどうかを判断するうえで重要なポイントになります。

まず「別荘」は、地方税法で「日常的な居住の用に供しない家屋」と定義されます。避暑や保養、レクリエーションを目的に使われる住宅が典型で、生活の中心にはならない建物が該当します。たとえば、年に数回だけ利用するリゾート地の住宅などがこれにあたります。

一方「セカンドハウス」は、税制上「生活に必要な居住用の家屋」として扱われます。毎週末に過ごす郊外の住まいや、単身赴任時に用意するもう一つの住まい、または長距離通勤を避けるために平日に滞在する住宅など、日常生活の一部として利用されている実態が認められる建物です。この「生活上の必要性」が認定の大きな基準となり、税制優遇を受けられるかどうかを左右します。

参考:セカンドハウスとは?別荘との違い

セカンドハウスとして認定されるための条件

セカンドハウスとして税制優遇を受けるためには、単に別荘を所有しているだけでは不十分で、いくつかの条件を満たし自治体から認定を受ける必要があります。

たとえば軽井沢町など一部の自治体では、「毎月1日以上の利用」「ライフラインの毎月の使用実績(検針票)が必要」といった継続利用の実績が条件とされています。所有しているだけでは対象にならず、生活の一部として使われていることが確認されることが前提となります。また、所有者本人が利用していること、そして他人へ賃貸していないことも欠かせない条件です。

あわせて、独立した生活が可能な建物であることも必要です。電気・ガス・水道といったライフラインが整い、いつでも居住できる状態にある住宅が対象で、物置や倉庫のような建物は認められません。住民票を移す必要はありませんが、自治体によっては利用状況を示す書類(公共料金の明細や利用記録など)の提出を求められる場合もあります。

ただし、これらの条件の判断基準は自治体ごとに異なるため、検討段階で所在地の税務課へ確認しておくことが重要です。要件を満たしていると思っていても、自治体基準に合わず優遇措置を受けられないケースもあるため、事前確認が安心につながります。

セカンドハウス認定による税金の軽減措置

セカンドハウスとして認定されると、不動産にかかる税負担を減らせる大きなメリットがあります。特に、所有中に毎年支払う固定資産税・都市計画税、そして購入時に一度だけかかる不動産取得税で優遇措置が受けられる点は、長期的な資金計画に大きく影響します。

これらの軽減が認められるのは、別荘が「保養のための家」ではなく、生活に必要なもう一つの住まいとして扱われるためです。その結果、一般住宅と同じ税制が適用され、土地の税額が大幅に下がったり、購入時の税金が控除されたりと、実質的な負担が軽くなります。

次の項目では、固定資産税・都市計画税の扱いと、不動産取得税の軽減内容について、具体的に説明していきます。


固定資産税・都市計画税の軽減

セカンドハウスとして認められた際に、特に効果が大きいのが土地に対する「住宅用地の特例」です。これは、住宅として利用されている土地の課税標準額を大きく引き下げる制度で、固定資産税・都市計画税の負担を抑える上で欠かせない仕組みです。

小規模住宅用地(200㎡以下)であれば課税標準額は評価額の6分の1に、200㎡を超える一般住宅用地でも3分の1にまで軽減されます。たとえば評価額が1,200万円の土地でも、課税対象額が200万円ほどに下がることがあり、税額の差は年間で見ると大きなものになります。結果として、長く所有するほどコスト削減の効果が積み重なっていきます

ただし、この特例を受けるには、セカンドハウスとして日常的に利用されている実態が必要です。自治体によっては、その確認のために利用状況を示す書類の提出を求める場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

不動産取得税の軽減

別荘を購入する際に一度だけ発生する不動産取得税も、セカンドハウスとして扱われることで軽減の対象/span>になります。一般の居住用住宅と同じ優遇が適用されるため、初期費用の負担を減らす効果は大きいと考えられます。

軽減措置は建物と土地の両方に及びます。建物については、新築住宅や一定の条件を満たす中古住宅であれば、固定資産税評価額から最大1,200万円(長期優良住宅などは控除額がさらに増える場合もあります)が差し引かれます。この控除によって課税標準額が下がり、結果として税額が大幅に抑えられます。

土地についても、新築住宅が建つことを前提とするケースなどで特例が設けられており、税額が軽減されたり、条件により税負担が実質的にゼロになることもあります。購入時の負担を減らす制度として有効で、セカンドハウスの取得を検討している場合は確認しておきたい内容です。

なお、軽減措置の適用条件や具体的な控除額は都道府県によって異なるため、事前に税務担当窓口へ確認することが安心につながります。

まとめ:別荘の住民税を正しく理解して、賢く税金対策をしよう

別荘は、日常から離れて過ごす時間を豊かにしてくれる存在ですが、安心して楽しむためには税金に関する理解が欠かせません。特に、住民票とは別の自治体から「家屋敷課税」が課される場合がある点は、多くの方が疑問を抱く部分だと思われます。

本文では、この家屋敷課税が地方税法に基づいた正当な制度であること、また固定資産税・都市計画税、不動産取得税など別荘にかかる税金の仕組みを整理しながら解説しました。さらに、税負担を抑える方法として「セカンドハウス認定」の活用についても触れました。認定を受けることで、居住用住宅と同様の優遇措置が適用され、年間の負担を大きく減らせる可能性があります。

税金の仕組みは複雑に感じられることもありますが、ポイントを押さえておくことで、長く安心して別荘を維持できます。いま別荘の購入を検討している方も、すでに所有されている方も、ご自身の計画に合わせて税制を上手に活用してみてください。必要に応じて自治体や専門家へ相談すると、より具体的なプランが立てやすくなります。

また、別荘選びや土地探し、建築計画について不安がある場合は、地域の環境や別荘建築を熟知した工務店へ早い段階で相談しておくことが非常に重要です。税金や維持費を踏まえた現実的な計画づくりは、建物の仕様や土地条件とも深く関わるため、専門的な視点が欠かせません。

栃木県内で別荘を検討されている方は、ぜひ栃木ハウスへご相談ください。費用の考え方から土地選び、建物計画まで、長く安心して使える別荘づくりを総合的にサポートいたします。

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